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民法が改正されると残業代も多く請求できるのか！？

2019.08.02

その他労働基準法法改正

みなさまこんにちは、上地正寿です。

労働政策審議会で賃金などの消滅時効の検討会で議論されています。

これは2020年4月からの民法の一部改正により、時効の期間が複数あったものを統一して「事実を知ったときから5年（権利を行使することができるときから10年）」とされることによるものです。

現在労働基準法の消滅時効は2年とされており、民法に合わせて5年にすべきなのかということが議論されています。

この労働政策審議会により今後の消滅時効が変わってくるかもしれません。

その審議会の中で、以下のことが具体的に示されて議論されています。

◆賃金等請求権の消滅時効の起算点、消滅時効期間について

・消滅時効期間を延長することにより、企業の適正な労務管理が促進される可能性等を踏まえると、将来にわたり消滅時効期間を2年のまま維持する合理性は乏しく、労働者の権利を拡充する方向で一定の見直しが必要ではないかと考えられる。

・ただし、労使の意見に隔たりが大きい現状も踏まえ、消滅時効規定が労使関係における早期の法的安定性の役割を果たしていることや、大量かつ定期的に発生するといった賃金債権の特殊性に加え、労働時間管理の実態やそのあり方、仮に消滅時効期間を見直す場合の企業における影響やコストについても留意し、具体的な消滅時効期間については引き続き検討が必要。

◆年次有給休暇、災害補償請求権の消滅時効期間について

・年次有給休暇の繰越期間を長くした場合、年次有給休暇の取得率の向上という政策の方向性に逆行するおそれがあることから、必ずしも賃金請求権と同様の取扱いを行う必要性がないとの考え方でおおむね意見の一致がみられる。

・仮に災害補償請求権の消滅時効期間を見直す場合、労災保険や他の社会保険制度の消滅時効期間をどう考えるかが課題。

◆見直しの時期、施行期日等

・民法改正の施行期日（2020年４月１日）も念頭に置きつつ、働き方改革法の施行に伴う企業の労務管理の負担の増大も踏まえ、見直し時期や施行期日について速やかに労働政策審議会で検討すべき。

今回の審議会で請求権の消滅時効は

→賃金は2年から延長

→年次有給休暇は2年を維持

このように方向性が示されています。

賃金請求権の消滅時効が延長されることになれば、遡りの残業代の請求などの賃金未払いについては影響が強くでることが予想されます。

これまで2年分だったのが、5年間請求できるようになると大きなお金を支払うことになります。

そうならないためにも会社がすることは日頃から労務管理をしっかりとおこない、残業代や給料の計算については、きちんと行うことが必要ですね。